2021/02/06 13:14



虹石屋の1周年に寄せてなにか記事を書いてみようと思ったのですが、以前から頭の中にあった「石を育てる」ということについて、徒然に綴ってみたいと思います。




たとえば、水晶は珪酸と熱水の環境の中でだけ育ちますが、不思議なことに一緒に過ごしていくプロセスで初めはそこになかったものを露わにしてくれることがあります。

それは時に虹であったりクラックであったり、またはインクルージョン、レコードキーパー、はたまた確実にそこになかったはずのグリフ(模様)など。石によって反応はさまざまですが、このように一緒にいることで新しい表情を見せてくれることがあります。

それらをひっくるめて「石が育つ」と呼んでいるのですが、これは目に見えるものでなくとも「なんとなく輝きや質感が変わった気がする」なども含まれていて、そういったことを感じる時、やはり石は変化しているように思えます。

もちろん、石を鉱物として見た時にこういったことは物理的にあり得ない話なのですが、クリスタルにまつわる不思議な体験というのは、結構耳にするものです。

(ちなみに店主は石を物理的に鉱物として見る視点も・いわゆるスピリチュアルなものとして見る視点も両方好きで、両方を大切したいというスタンスです。どちらも否定しません)




石との響き合い、と書くことがありますが、これは一緒に過ごすことでお互いのエネルギーが共振していく、または順応していくようなことで、両者に化学反応が起こるように感じます。お互いにブレンドされていくような感じですね。

これはおそらく、その石と触れ合えば触れ合うほど響き合いがおきます。
以前こちらの記事でも書かせて頂きましたが

「クリスタルに虹ができるとき」

クリスタルを私物として愛で始めるとびっくりするぐらい変容していくことがあります。

上の記事で載せているのはひとつの石ですが、以前、インドで出会った2つの石などは「これ別の石?」というぐらいにクラック、インクルージョン、虹をお増やしになられていて、もはや驚きを通り越して楽しいものです。今もまだ育ってます。

このように、石は持ち主に出会うとどんどん「目覚めていく」ものでもあると思うのです。




そんな考えの人間ですから、やはり石には居心地のよい環境で過ごしてもらいたいというのと、そうすることも石屋としての大切なピースなので、普段、色々とやっています。

植物が愛ある声をかけたり美しい音楽を聴かせると発育がよくなるのと同じように(これは水の結晶でも同じです)、石も同じだと思うのです。目をかければかけるほどに目覚めていくし、仲良くもなれる。たとえば石を愛でるとき、ピュアーに綺麗だなと思う時は石もそれをわかっているはずです。




石を必要以上に生きたものとして扱うこともないとは思いますが、やはり私の中では生きたものなので、言葉ではないコミュニケーションもできるものだと思っています。

(これは誰しもがこういった感性で石に接して欲しいということでは一切なくて、あくまで店主の場合。石をどう感じるか、どのように見ているかは100%持ち手の方の自由ですし、そのどれもが否定されるべきものでもないと思っています)

また、あまり放っておくと、石も「眠る」という話を聞いたことがあるのですが、たしかにどこか微睡んでいるような石というのはあります。が、これは太陽光に当てたり交流していく内にどんどん目を覚ましていくのがわかって面白かったりも。

進んで前に出たがる石もいれば、日陰でひっそりしていたい石もいたりして、石にも性格があるように感じます。


あと、石って結構夢に出てくるのです。
たまに見るバリエーションは宇宙空間のような場所で辺り一面になんらかの石がたくさん散らばっていて、自分がその中にいるというもの。

それはこれから出会う石であったり、その時グループで迎えた石たちのものであったりします。

(数年前にデイビット・ガイガーだったかロバート・シモンズだったか他の人か忘れましたが、荒野でスペシャルなクリスタルを掘ってそれを渡されるという、ものすごいリアルな夢を見たことがあったのだけど、あれは一体ナニゴト。実現したら嬉しいですが)。




そんなことから、石屋としては石の声に耳を傾けつつ、なるべく石たちが居心地よく過ごせるように日々お世話をしています。

けれど棚にある石はあくまでいずれお迎えくださる方のものなので、個人的な想いやエネルギーはけしてごっちゃにしないようにしています。石にはやはりピュアなままでいてほしいものです。

石が伸び伸びと育てる環境をセットしてあげるのも、石屋としては大切ですね。なるべく、石の配置も石の意思だったり、お互いに助け合えるようなレイアウトをこころがけています。

だいたいチェックして、ちょっとサポートが必要かも?と思う石にはそれなりのケアを。日に当たりたそうだったら日向ぼっこさせて、水がほしそうだったら流水で綺麗にしてあげたり、セージの煙でくぐもらせたりと、そんな風に「石のガーデン(庭)」の手入れ、お世話をしているという感じです。

すると石たちはより輝いて見えるのです。