2024/05/09 13:55
大阪ミネラルショーでとても素敵な石たちと出会うことができました。
ちょっと長めの文章になってしまいましたが、よろしければどうぞ読んでみてください。
こちらはなんとなんと、タイランド産のホワイトエレスチャルです。
タイのクリスタル…
存在は知っていたのですが、何しろほとんど国外に出回らないとても希少な石です。
ですので、見かけたときは驚きました。きっとほとんどの方が「初めて見る石」だと思います。
セラーは以前ラオスのビエンチャン水晶をお譲り下さった方で、タイの辺境の地へ赴いてこの石と出会ったそう。
石版のインディ・ジョーンズのような彼はやっぱりすごいです。彼がこの石を発見して連れてこなかったら、きっとこのエレスチャルたちも世界に知られることはなかっただろうと思います。
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まるで白い天使のような姿のホワイトエレスチャルたち。
産地はタイのチャイヤプームという場所で、泥の中から採掘されるのだそうです。
店主が知る限り、タイの水晶はあまり透明度のない小ぶりのものが多いのですが、そんな中、こちらはアルビノのように特別さを感じさせてくれます。
何しろ、ホワイトエレスチャルそのものが珍しいものですものね。
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今回のホワイトエレスチャルたち。
特徴は、まるで薄い氷の層をいくつも織り重ねたようなきらきらのエレスチャルの結晶構造に、ほのかに灯るようなブラウンを内包していることです。
---温かい樹木のいのちが、美しい氷の層に包まれているようなCrystal---
とメモには残しているのですが、本当、そのような不思議な調和を感じます。
きらきらのひかりの粒や虹をきらめかせていて、そこから優しく漏れくるようにブラウンの鉱物を内包しています。
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泥の中から生まれる…
それはドロマイトの中で誕生するハーキマーダイヤモンドのように、上にも下にも結晶する「ダブルターミネーション(両錐水晶)」として育つことができます。
つまり土壌がやわらかいのですね。
今回の石たちもダブルターミネーションとして育っているものがほとんど。
そして内包されているブラウンは、おそらく泥鉱物と思われます。
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今回のホワイトエレスチャルは、とても生きもの感のあるクリスタル。
並べて眺めているとみんなそれぞれに「生きているな」と感じますし、石からの眼差しをとても感じます。これがチャイヤプーム水晶たちのspiritなのかも知れません。
もともと、エレスチャルというのは元気いっぱいな環境で育った、生命力のある石です。
通常のクリスタルがゆっくりと安定した速度で結晶していくのに対して、エレスチャルはクリスタルの素である成分がより豊富な環境で育ったため、結晶の粒があちこちで同時に結合し合ったり、または前のめりにぐんぐん育っていくことで個性的な姿に生まれます。
石の生命力に満ちたクリスタル。
だからエレスチャルには、より生きもの感を感じるのだろうなぁと。
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今回のエレスチャルたちが白い姿なのも、上に書いたような成長スピードが関係しているのではと思います。
たとえば氷の結晶は急速に冷却されると白く濁るのだそうですが、原理はそれと同じだと思うのです。反対に、ゆっくりと冷やされたものはより透明な結晶になるそう。
(石の場合は反対に熱水の中で育つのですが)
薄い氷の層を、複雑に張り巡らせたような姿のこのエレスチャルたち。
眺めていると「チリチリ...」「パキパキ...」と、静かに氷が結晶化していく音が聴こえてくるようで、そのことが、本当に素敵です。
それはまるで氷が結晶化していく瞬間を、石の中に永遠に閉じこめたよう。
見えているそれらは「クリスタルの結晶するピュアなちから」そのものかも。
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もうひとつ書いておきたい、このホワイトエレスチャルたちがもっているもの。
この白い姿ゆえでしょうか、今回の石たちはどこか老齢さ---
長老ストーンのような雰囲気を持っています。
それが石からの深い眼差しや、存在感を感じさせるのだと思います。
内側にとても深いものや知恵を秘めていそうな、何かがその奥で拍動していそうな、そんな雰囲気。
それは「生きた樹木が美しい氷の層に包まれている」ようなイメージで、有機的だけれど、美しい純化の響きを纏っているイメージ。
また、今回の石たちは同時にとてもエンジェリック---
天使的な側面ももっています。
これは結晶の中のきらきらの光の粒たちゆえで、とても清らかで、とても軽い響きを感じます。そのホワイトの世界を眺めていると、心地よく純化されて癒されるよう。
そのふたつのこと---
老齢さと天使的な側面が合わさっているのが今回のホワイトエレスチャルたちだと感じます。
とてもユニークで、タイという産地も然りですが、なかなか出会えないタイプの石ですよね。
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この石たち、実は文章にするのが本当~~に難産で(笑)書いては消しを繰り返していました。
そんな中、下のシンプルな文章は店主がこの石から感じる、とても大切なキーフレーズになっています。何度消してもこの部分だけは残しておきたかったので、ぜひぜひご参考にされてください。
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美しいタイランド産のホワイトエレスチャルたち---
彼らを眺めていて思うのは、
内に秘められたCrystalの生命力と、美しい純化のちからのようなもの。
それはどこか長老的で老齢さを感じさせもするけれど、同時にエンジェリック---天使的な石。
きらきらした細かな光の粒子を無数に響かせていて、たくさんの虹を携えていて。
薄い氷を織り重ねたような姿は、眺めていると「チリチリ...」「パキパキ...」と、静かに氷が結晶化していくSoundが聴こえてくるよう。
彼らは内側にそんな「純化のちから」を持っています。
わずかに赤い生命力がその奥からほのかに灯っているように。それを包むような細やかな純化のひかり。
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どちらも美しく、厳選したホワイトエレスチャルたちです。
本当に本当に、とても希少な石です。
おそらく他では手に入らない石だと思いますし、大切にしたい石。
【また、上に書いたすべてのことがすべての石に当てはまる訳ではありませんので、upの際はどうぞ個別の文章や写真を参考にされて、ぜひご自身の感覚で自由にチョイスされてみてください】
写真や動画でもなかなか映せず残念なのですが、(No.1以外)細かな虹のプリズムをたくさん見せてくれます。
また、日向・日陰の2本で動画を撮影していますので、お色味や細部など、どうぞそちらからもご覧ください。内部構造は日向、石肌の照りなどは日陰の方が伝わります。
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とても生きた感覚のある、今回のホワイトエレスチャルズ。
持ち手との絆のなかで、さらにその眼差しを深めて、光を増してくれそうです。
末永く愛でて頂けましたら幸いです。
虹石屋 店主
織矢