2021/01/09 13:19
【 はじめに 】
ずっと以前から、いつかご紹介したいと思っていた「ザギマウンテン・クォーツ」。
この度ご縁がありようやく虹石屋でご紹介でき、とても嬉しいです。
今回はこのザギの石について(熱く長く)語りたいと思います。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、ザギはパキスタン西部の聖山、「ザギマウンテン」と呼ばれる岩山から産出するとても希少な石です。流通量が少なく、なかなか入手することが難しい石でもあります。
今回とても素晴らしいザギたちを扱っている方と卸のご縁が繋がり、11点ものザギをご紹介できる運びとなりました。
お店によっては高値で取引されているザギですが、今回はお求めやすいプライスでご紹介することができているかと思います。
このご縁に感謝。
もともとザギをお探しだった方はぜひにこの機会にご検討されてみてください。店主ももともとザギの石がとても好きで、数年前にかなり調べていたことがありました。ザギのもつ、この「始原の海」または「琥珀」を彷彿とさせるような豊かな内包物の世界が大好きです。昔から「内側に何かを半永久的に閉じ込めている」、ということにロマンを感じてしまうのですが、ザギはなんとも言えず生命豊かにそれらを体現してくれているようで、唯一無二の存在感があります。
そんな私にとっては宝の山を目にしているような素晴らしい機会だったのですが、その中でも、とても丁寧にセレクトしてきた子たちを今回ご紹介しています。
ザギと言えばアンフィボルが入り混じった「ゴールデンザギ」がイメージされますが、店主はこのキャラメルカラーのザギがとりわけ好きで、今回セレクトしてきた子たちも、栄養満点で、たっぷりと個々の色合いを含んだ、「美味しそうな」子たちがほとんどです。
ではでは、前置きが長くなってしまいましたが、以下にザギマウンテンクォーツの鉱物学や店主が個人的に感じることなどを綴っています。
今回、こうしてザギの石をご紹介できることをとても光栄に思っています。
店主がザギに惹かれたように、今回ご紹介する石たちを通してザギマウンテンの魅力を皆さんにお伝えできればよいなととても思います。
素晴らしいご縁を繋いでくださった卸の方に感謝です。
【 ザギマウンテンクォーツについて 】
ザギマウンテンクォーツを産出するザギ山はパキスタン北西部、ペシャワールという町から近い場所に位置しています。そこはアフガニスタンとの国境地帯にある辺境の地で、その一帯に立ち入ることも難しく、採掘するにも危険が伴うようです(これが高値で取引される理由のひとつになっています)。
ザギの山そのものは標高が600メートル程度の低山で、写真を見る限りでは草木のない荒涼とした岩山のように見えます。
そんなゴツゴツとした山肌のザギですが、周囲にはスレイマンと呼ばれる鉱脈を有した山脈もあり、ザギ自体がレアアースの宝庫ではないかといわれるほどの豊かさを抱えた山。
ザギを調べると「聖なる山」というフレーズが必ずセットで出てきますが、では一体何が、どういう経緯で聖山と呼ばれているのか?までは出てきません。
一説にはこの山は古くから地元の人々から聖なる山として崇められてきたとありますが、そんな大地の恵みをそなえた山なら、特別なものとして認識されてもおかしくはなさそうですね。
また、ザギのクリスタルは主に欧米のクリスタルヒーラーに見初められ、大変なラブコールを受けてきました。いわゆるニューエイジやスピリチュアルなヒーラーの世界では、ザギはとてもパワーのある石として数年前から話題になっています。
【 ザギの鉱物学 】
そんなザギマウンテンクォーツですが、鉱物学的な特徴から見ても非常にユニークです。
ある意味とてもわかりやすくて、沢山の石が並んでいる中でもザギの石は比較的わかりやすいと思います。
その特徴は一言で言ってしまえば内包されているインクルージョンの豊富さにあります。
主にエジリン、アンフィボール、アストロフィライト、ルチル、リーベカイト、アクチノライトなど、ザギはそれらの多種多様な成分を取りこんだ石がほとんどです。
また、ザギマウンテンの石は一般的な「クリアクォーツ(クリスタル)」のイメージとはかけ離れており、綺麗なポイントはとても稀です。多くはクリスタルの欠片のようなものやゴツゴツした小さな岩のような、無骨なフォルムをしています(それがまたいいのですが)。
また、内包物の豊富さゆえクリアーなものもほとんど見かけません。
多くのザギは飴色や、濃厚なブラウンゴールド、スモーキーカラー、またはリーベカイトやアクチノライトを含んだ青~緑がかった色合いをしています。
とりわけアンフィボールやアストロフィライトが溶けて沁みこんだような濃厚なブラウンゴールドのものは「ゴールデンザギ」と呼ばれており、キャラメルやチョコレートのような色合いで美味しそうな姿をしています。
その他にもルチルやエジリンなど、針状結晶を含んだものも多くとても表情豊か。ここまで多彩な内包物を含む産地はそうないと思います。
ザギのクォーツがここまで栄養豊富にたくさんの成分を含んでいるのは、何しろザギマウンテンと呼ばれる岩山が豊富な大地の恵みを携えているからで、ザギは山の恵み、地球深くからの恩恵をたくさん享受した石と言えそうです。
【 店主の勝手にMemo 】
ここまでで既に長々と書いてしまいましたが、ここからは店主がザギについて感じることを勝手に語るコーナーです。
石の性質上、といいますか。
ザギについては「こんなパワーがあると思いますよ」という視点も語っていますが、いわゆるスピリチュアルやヒーリングにご興味ない方は読み飛ばしてくださいませ(特にチャクラやマスター云々についてはすっ飛ばしOKです。笑)。
ただ、こういったことを興味深くご参考にして下さる方々もいらしてくださるので、個人的に感じることを綴ってみますね。
ザギとの出会いはもう7年ぐらい前だったと思いますが、この内包物たっぷりの、それでいて岩のようにゴツゴツした無骨な姿にとても惹かれてしまいました。
上にも書いていますが、ザギの石はとても特徴的です。ザギはザギだから、ザギの石として存在しているのだと思えるもの。クリスタルは産地によってそれぞれ若干の特徴やエネルギーの違い、光の違いのようなものがありますが、ザギはその点でも非常にユニークです。
あくまで店主が感じることではありますが、ザギの石たちはとても「父性」「母性」を携えた石のように思います。包むような温かみがあるといいますか。
男性的、女性的な石ってたしかにあるものですが(もともとクリスタルの成長は右回転、左回転があり、これによって石の性別が分かれるというお話もあります)、ザギの場合は「男女性」というニュアンスよりも、父性や母性という枠でくくりたくなるような、より大きく雄大なものを感じます。
また、それがザギマウンテンとその一帯の大地の響きなのでしょうが、ザギの石はとても大地的です。言い換えればどっしりとグラウンディングしているようなイメージですが、それでいてとても柔らかく優しいのです。
これらはもちろん石の個体によって違いがありますが、おおむねザギの石というのはどっしりとそこに存在しつつも、包みこむような「大きさ」を感じるものが多いです。内側まで届いて沁みるような柔かさも。
ザギ山そのものは男性性の化身のようにゴツゴツとした岩山ですが、その奥深く、地球の奥から染みだした豊かな鉱物はそのまま大地の恵みのようで、荒々しくも地球の母性や女神性を感じるようなもの。
ザギの石はマスター存在でいったら「サナトクマラ」がぴったりだと思います。
サナトクマラはインドなどで「日の老いたる永遠の若者」と呼ばれる、叡智を備えた偉大な存在ですが、ザギに感じる大地の恵みも懐の深さも、ゴールドの色合いも似合っていますしね。
また、ザギは主にアメリカのヒーラーさんからとても人気のようです。その皆さんがどういう風にザギを説明しているかはわからないのですが、店主の感じ方ではザギはとても大地的な石で、チャクラでいうならとりわけ第3チャクラから下のチャクラとの親和性を感じます。
これはただ単に「この石はこのチャクラがいい」という話ではないのですが、ザギのもっている響きは1~3までのチャクラがもつ性質に見事に応えてくれるように感じます。
どっしりと大地的なベーストーンや生命力の響きはそのまま第1チャクラに。
そして意外だったのは、ザギに含まれているたくさんの内包物は第2チャクラに活力とパワーを与えてくれるなということ。第2チャクラの色は明るいオレンジですが、ザギもアンフィボールなどの濃度によってはオレンジ色のものがあります。
アンフィボールはとても第2チャクラ的です。濃厚で、豊潤で、セクシャルで、滋養があり、流動的。
とても栄養豊富で豊穣そのもののようなザギは、そのまま第2チャクラの持っている豊かさや活力、バイタリティやセクシャリティというテーマにも、望んでワークするならパワーと調整を与えてくれそうです。
第3チャクラはイエローで表される自己実現と存在、そして自信などに関わるエネルギーセンターですが、ザギの力強さと雄大さはこのチャクラがもつテーマにもパワーを与えてくれます。
ルチルなどの針状結晶は時にとてもパワフルな響きをもっていますが、とりわけエジリンはその姿からもとても奥深く芯のある響きをもっています。これはセンタリングを強化してくれるものでもあり、実存の確かさを応援してくれます。
また、アストロフィライトも同じくです。どこか星の力すら感じるアストロフィライトは深い所からのグラウンディングと変容のための破壊、本質的自己の輪郭をサポートしてくれます。
ザギマウンテンはまた、望んでワークするのなら内在している古いもの、足枷になっているような古感情を引き出し、それらを浄化していく作用もあるように感じます(それは時に「カルマを焼き払うような力がある」と表現されることがあるようです)。
その場合は石をお腹、だいたいみぞおちの辺りに置いて、石と共に深い呼吸を繰り返していくのがお勧めです。ザギは内包物をたっぷり含んでいることからもわかるようにエネルギーの深みまで響きを届けてくれる石で、内からの浄化にも、また深い滋養にもなる石です。
が、それらの背景にある基盤は、やはり包みこむような「柔らかな大きさ」で、それがザギに流れているベーストーンだと思います。ザギのもつその響きが優しさや柔かさ、大きな父性や母性のように感じられて、とても温かみ、血のぬくもりみたいなものを感じる石だと思います。見護られている感覚というのかな。
それはひとつひとつの石がどう、というよりはザギという山や大地にもともと流れている血のようなもので、その背景に流れているエネルギーのようなもの。言い換えればひとつひとつがその恩寵を受けているような感覚です。
このように、さまざまな側面から私たちにパワーを与えてくれそうなザギマウンテン。
その背景にあるのは豊かな内包物たちのお陰で、これを生み出しているのがザギと呼ばれる山とその一帯の大地の響きに思えます。
色々と書いてしまいましたが、店主がザギに対して大切にしたいのは、キーとなるものだなと思うのは、「大地からの恩恵」のようなもの。
それを山の恵みと言ってもいいのかもしれませんが、ザギはまさに地球からの贈り物で、宝物がその内につまった石と言っていいと思います。
多くのザギは無骨で、荒々しくて、粗野な姿をしていますが(それがいいのですが)、その石肌の中に散りばめられた内包物たちとのハーモニーがとても美しい石です。どんなものでも宝物にしたくなるような魅力があります。
山を舞台にした神話は世界中にたくさんあると思いますが、ザギも地球のスピリット、古くからその大地を守る精霊たちがいるような山なのかも知れませんね。
また、上にも書きましたが、ザギの石はもちろんザギという特別な山から生まれたものですが、その姿はどこか「始原の海」を彷彿ともします。それは言い換えれば生命が誕生するための養分、滋養をたっぷりと孕んだ「豊穣の海」のようでもあり、そんなことからも、ザギって個人的にはとても落ち着ける石、どこか懐かしい夕景に回帰するような石なのです。そういったことが女神性を思い起こさせるのかも知れませんね。
山と海、父性と母性。
地球からの恵みを豊かにたっぷり受けた石。
今回セレクトした石たちも、そんなザギの魅力をたっぷり孕んだ子たちです。
店主が好きということもあり(私にとってはひとつひとつが宝)、また念願かなってご紹介に至ったということもあり長々書いてしまいましたが、皆さんとザギとの素敵な出会いと響き合いがありますように。
どうぞ気になる子をセレクトくださればと思います^^
虹石屋 店主
織矢
※ここで綴っていることはあくまで店主による主観です。また、ザギマウンテンクォーツについて全般的に感じることを書いていますが、当然ながら個々の石によってバリエーションの幅があります。大切なのは「持ち手の方が、その石をどう感じるか?」。どうぞ参考程度に留めおき、フィーリングで素敵な出会いを楽しんで頂ければと思います。