2020/11/20 15:24






【 鉱物としての砂漠の薔薇 】


デザートローズ(砂漠の薔薇)は砂漠に生まれる、バラのような姿をした神秘的な鉱物。


この石は主にジプサム(石膏)またはバライト(重晶石)からできていて、おおむね白っぽいものはジプサム、より赤茶けた色はバライトの由来だと言われています。

世界の砂漠によって異なる色と形をしているデザートローズ。
砂漠にしか形成されない不思議な石でもあるのですが、その誕生の物語も素敵です。

たとえばジプサムは古代の海水など、もともと水があった場所で形成されるのですが、デザートローズの場合は砂漠の中に存在していたオアシスや地下水などから染みだした水分などが干上がる際、そこにあったミネラルが砂を取りこみながら結晶していったものだといわれています。

つまり砂漠でのみ産出する石という訳ですが、相対するように、そこにはかつてオアシスなどの水があった場所で生まれます。

砂漠によって白っぽかったり茶こけていたりと、砂漠そのものの特性が表れる石でもあるのですが(サハラ砂漠のデザートローズはなんと人よりも大きなものがゴロゴロしているようです)、それは砂漠がもっているパワーが石に宿ったようで素敵。
砂漠と水、その相反するふたつのエレメントを記憶した石と言えそうです。

そしてデザートローズの特徴であるこのバラのような形状は、なぜこの形になるか?ということは明らかになっていないそうです。

欧米などではこの石は「幸運の石」「願いをかなえる石」「持ち主を支えてくれる石」と言われているようで、姿もいわれも、出自も、なんだか神秘的でロマンをくすぐる鉱物です。


【 店主の勝手にMemo 】


ある仕入れの前日。たまたまサハラのデザートローズをインテリアとして飾っている空間を目にしていて。それが本当に…とてつもなく素敵に見えてしまったので、必ずや連れて帰ろうと思っていたのでした(笑)。

改めてこの砂漠の薔薇を手にしてみると、惹きこまれるような魅力を感じます。
砂漠の世界観が石と融合して、まるごとここにいてくれるよう。

手にしているとチリチリとした微細な感触の響き。この石ってやはり「砂のエレメント」を素敵に表してくれている石だと思うのです。
それは細かな光粒子をさわさわと周りにもふりまいてくれるようで、空間の清浄化にとてもいい石だと感じます。

砂漠の薔薇は植物でたとえるのなら(無論バラではありますが)「サボテン」のような役割を果たしてくれるのではないかな?ということ。

サボテンも砂漠にありながらあんなに沢山の水を蓄えていますが、何より部屋の浄化や清浄化によい植物とされています。デザートローズもイメージとしては同じ。砂漠・水の記憶・砂・そして空間の清浄化と、それらのピースが調和した石。

砂に殺菌効果があるといわれているのと同じように、この石の場合は「砂のエレメントによる浄化」という言葉がぴったり。微細な光の粒子で空間のエネルギーを洗ってくれるような感覚をうけます。

何より、広大な砂漠でこの石が生まれたと思うととてもロマンを感じてしまいます。
あんなに雄大な砂漠のただ中で誕生した石。砂漠の砂。長い歴史と砂漠のパワー、物語性を感じられるようでとても好きな石です。

空間の波動調整にも、ストーン・インテリアとして置いても、素敵な世界観を出してくれると思います。
玄関やテーブルの上などいもいいと思いますし、置き場所を考えるのも楽しいデザートローズ。


余談だけれど、エジプトのある広大な砂漠をGPS片手に(迷わないように)ひとりどこまでも歩いた体験は本当に素敵で、そしてそこには鉱物があったのです!セレナイトのような輝く石がバラバラと散乱していて、とても素敵でした。

そこには数日滞在して、毎日レンタサイクルでオアシスを抜けてその砂漠地帯まで走って、そこから徒歩で砂漠のただ中をうろつくという素晴らしい体験がありました。かつては海だったのでしょうね、貝もごろごろと。そして見渡す限り砂と空。それだけ。

日常からばっさり離れた異空間で過ごす意識はとても冴えて、なんだか不思議な感覚。
そしてそんな場所で発見した奇跡みたいな石たちの煌めきが素敵でした。