2020/10/09 14:36













こんにちは、虹石屋の織矢(おりや)です。

連日曇りやら雨やらでまったく石の撮影ができず(^^;)
こんな時はちょうどこれからご紹介しようと思っていたダルネゴルスクについて記したいと思います。

ダルネゴルスク(またはダリネゴルスク)はロシアの極東、沿海地方に位置する鉱山の町。石の名産地として市の紋章にはクリスタルが描かれているほど。地図を見てみると北海道からはびっくりするぐらい近くて(札幌の向かいあたり)。数百万年前、日本列島はまだユーラシア大陸と地続きだった訳ですが、ダルネゴルスクで不思議なカタチの石が生まれたのはそんなダイナミックな地殻変動があったゆえで、そういう意味では日本の起源ともかかわってくる地域。もともとロシアの地脈というのはいわゆるコアなスピリチュアルな世界でも重要視されている場所で、地底にある地球のキー・ポイントのひとつだといわれています。とても宇宙的な場所というのかな。

そんなダルネゴルスクの石は、とってもユニークで神秘的。
鉱物好きの中でもよりマニアックな方が好むタイプだと思いますが、「好きな人は好き。そうでもない人はシーン」という、若干クセのある美しさをもっているように思います(笑。ちなみに店主は大好き。大鉱物です)。

ダルネゴルスクはまるで植物のような奇妙なカタチをしたものが多いのが特徴なのですが、これは成長するプロセスでカルサイトなどの干渉を受け、変形しながら育っていったインターフェレンス(成長干渉型)ゆえです。大抵の場合カルサイトは抜け落ちていて、そこに切れ込みのような跡やギザギザが残ったりします。カルサイトは基本的に海水がないと生まれませんから、ある意味では海の名残が生んだものとも言えるかも知れません。

このような成長干渉タイプのクリスタルを産出する場所はとても少なくて、似たような姿がよく見られるのは内モンゴル、そしてメジャーではありませんがポルトガルのパナスケイラ鉱山なども、とても奇妙なクリスタルが見られます。スっとまっすぐに伸びたクリアなクリスタルはもちろん美しいものですが、ダルネゴルスクにはダルネゴルスク特有の、惹き付けられるような美しさがあります。

よく植物に例えられるこれらの石たちですが(ものによっては本当に植物が石化したような姿をしています)、店主がもっているダルネゴルスクのイメージは「地底にある宇宙の森」のようなもの。とても静かで宇宙的で、そして自然界の育むパワーを感じるもの。それらが混ざり合わさったような世界、というイメージです。北欧神話には地底世界や、さまざまな世界を内包する「世界樹」の概念がありますが、そんなイメージにも近いかもしれません。そして地底で石の精たちがたくさんクリエイションの仕事をしているようでとても賑やかな印象。ダルネゴルスクの石には不思議と「静」と「動」を感じます。

希少鉱物なので小さなものでもお値段もそれなりではあるのですが、他にはない魅力があり、ハマってしまうとその魅力を追いたくなるような奥深さがあります。個体によって形状も多種多様。そして地底の晶洞にこんな石の植物が生えていると思うとなんだか宇宙チックでロマンです^^

フォトはこの数日のくもり空にうらびれて「ダルネゴは夜だって似合うんだからあえて電灯で撮ってみよう!」と思い立ち撮影したもの。
結果。これはこれで素敵だけどやっぱりできたら自然の光で、という結論に達したので、こちらで供養します(笑。でもこのまま晴れなかったらこちらを活用)。

ダルネゴルスクは鉱物好きの中でもよりマニアックな部類ですが、とても素敵な石です。自然界のデザインの妙を感じてしまうような、神秘的な姿は本当に美しい。

これからいくつかの石たちをUpしたのちにダルネゴルスクをご紹介していく予定ですので、どうぞお楽しみにです^^


虹石屋 店主
織矢